2006.08.30 Wednesday
漁船銃撃拿捕事件を斬る!
こんにちは。行政書士の高田です。
早く起きなくて良い日ほど、目覚ましがなる前に起きてしまう今日この頃です。
さて、皆さんご存じの通り、8月16日早朝に日本の漁船がロシア国境警備局の警備艇から銃撃を受け、甲板員1名が死亡する事件がありました。この事件のキーワードは「国境」でしょう。全ての国境線が海上にあるため、我が国では国境に対する意識が低いのが現実です。しかし、諸外国はそうではありません。
日本には国境警備隊や沿岸警備隊と呼ばれる、国境警備を専門に行う組織がありません。警察機関である海上保安庁が兼任しているのが現状です。一方、アメリカの沿岸警備隊は軍事機関であり、隊員は軍人です。戦争の際には海軍の指揮下に入ることも想定されています。イギリスの国境警備はそもそも海軍が担当していますし、韓国の海洋警察庁も武力行使を前提とした重武装です。今回の事件を起こしたロシアの国境警備局は、ロシア連邦保安庁(FSB)の所管ですが、これはいわゆるKGB(ソ連国家保安委員会)が数次の改称を経た組織です。漁船に対して発砲したり、甲板員を射殺することだって、仕事のうちなのです。射殺した隊員はお咎めなしだそうですからね。
ロシア側は、「密漁目的で領海を侵犯した日本漁船に非がある」の一点張りですが、そもそも北方領土がロシア領であるという法的根拠は一切なく、実際に占領しているから俺のモノだ!という横暴な理論に他なりません。しかも、領土問題が生じている海域で、軍が発砲して相手国の民間人を射殺し、生き残った人を船ごと拉致したとなれば、戦争になっても仕方のないことです。先日も、日本の海上保安庁の巡視船が、尖閣諸島に上陸を試みた台湾人から投石を受けましたが、スピーカーや電光掲示板で警告するに止めているのが対照的ですね。最前線に立つ人間には、相応の慎重さが求められてしかるべきです。
百歩譲って、仮に漁船が密漁目的で“領海”を侵犯したとして、それに対して機関銃を発砲することが、正当な取り締まり行為と言えるのでしょうか。ロシアの検察は「法に準じた行為」としていますが、ロシアの法律には密漁者をその場で射殺しても構わないと書かれているのですかね。波が高くて照準が付けられず、撃ったらたまたま当たったと主張しているようですが、だったら、当たるかも知れないと思いながら撃ったということですよね。当てるつもりのない威嚇射撃なら、人がいない方へ向けて撃てば良いわけで、当てるつもりがあったからこそ、人に向けて撃ったのでしょう。丸腰の民間人を、軍人が機関銃で撃った。どう理由をこじつけようと、それだけは変わらない事実です。
しかし、やはり日本側に落ち度があるのも、見逃せません。地元の漁師たちの間では、自分たちの海だという意識が高いと聞きます。ですが、今では現実にロシアが手ぐすね引いて待ち構えている魔の海域でもあるのです。小泉政権はこの5年間、領土問題を前進させることができませんでした。外交軽視の結果がこれだ!と避難するジャーナリストはたくさんいます。では、国民はこの5年間、いや、もっと以前から、領土問題を真剣に考えていたのでしょうか。北方領土の日を覚えていますか。竹島の日を覚えていますか。中国と韓国でデモがあったのは覚えているけど、何月何日かは知らない。そういう人が多いのではないでしょうか。記念日が重要だと言いたい訳ではありませんが、国民の意識が低いままでは、政府の役人がどれだけ交渉を重ねても、領土問題なんて解決しないと思うのです。
どうして北方領土がロシアに占領されているのか、竹島が韓国に占領されているのか、台湾人が尖閣諸島に上陸しようとするのか、ちゃんとそれぞれに歴史があるのです。学校は、入試に出ないためなのか知りませんが、戦後の現代史はあまり教えたがりません。教養として、また、周辺国から非難を受けないためにも、学校で教えない歴史を学んでみてはいかがでしょうか。
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早く起きなくて良い日ほど、目覚ましがなる前に起きてしまう今日この頃です。
さて、皆さんご存じの通り、8月16日早朝に日本の漁船がロシア国境警備局の警備艇から銃撃を受け、甲板員1名が死亡する事件がありました。この事件のキーワードは「国境」でしょう。全ての国境線が海上にあるため、我が国では国境に対する意識が低いのが現実です。しかし、諸外国はそうではありません。
日本には国境警備隊や沿岸警備隊と呼ばれる、国境警備を専門に行う組織がありません。警察機関である海上保安庁が兼任しているのが現状です。一方、アメリカの沿岸警備隊は軍事機関であり、隊員は軍人です。戦争の際には海軍の指揮下に入ることも想定されています。イギリスの国境警備はそもそも海軍が担当していますし、韓国の海洋警察庁も武力行使を前提とした重武装です。今回の事件を起こしたロシアの国境警備局は、ロシア連邦保安庁(FSB)の所管ですが、これはいわゆるKGB(ソ連国家保安委員会)が数次の改称を経た組織です。漁船に対して発砲したり、甲板員を射殺することだって、仕事のうちなのです。射殺した隊員はお咎めなしだそうですからね。
ロシア側は、「密漁目的で領海を侵犯した日本漁船に非がある」の一点張りですが、そもそも北方領土がロシア領であるという法的根拠は一切なく、実際に占領しているから俺のモノだ!という横暴な理論に他なりません。しかも、領土問題が生じている海域で、軍が発砲して相手国の民間人を射殺し、生き残った人を船ごと拉致したとなれば、戦争になっても仕方のないことです。先日も、日本の海上保安庁の巡視船が、尖閣諸島に上陸を試みた台湾人から投石を受けましたが、スピーカーや電光掲示板で警告するに止めているのが対照的ですね。最前線に立つ人間には、相応の慎重さが求められてしかるべきです。
百歩譲って、仮に漁船が密漁目的で“領海”を侵犯したとして、それに対して機関銃を発砲することが、正当な取り締まり行為と言えるのでしょうか。ロシアの検察は「法に準じた行為」としていますが、ロシアの法律には密漁者をその場で射殺しても構わないと書かれているのですかね。波が高くて照準が付けられず、撃ったらたまたま当たったと主張しているようですが、だったら、当たるかも知れないと思いながら撃ったということですよね。当てるつもりのない威嚇射撃なら、人がいない方へ向けて撃てば良いわけで、当てるつもりがあったからこそ、人に向けて撃ったのでしょう。丸腰の民間人を、軍人が機関銃で撃った。どう理由をこじつけようと、それだけは変わらない事実です。
しかし、やはり日本側に落ち度があるのも、見逃せません。地元の漁師たちの間では、自分たちの海だという意識が高いと聞きます。ですが、今では現実にロシアが手ぐすね引いて待ち構えている魔の海域でもあるのです。小泉政権はこの5年間、領土問題を前進させることができませんでした。外交軽視の結果がこれだ!と避難するジャーナリストはたくさんいます。では、国民はこの5年間、いや、もっと以前から、領土問題を真剣に考えていたのでしょうか。北方領土の日を覚えていますか。竹島の日を覚えていますか。中国と韓国でデモがあったのは覚えているけど、何月何日かは知らない。そういう人が多いのではないでしょうか。記念日が重要だと言いたい訳ではありませんが、国民の意識が低いままでは、政府の役人がどれだけ交渉を重ねても、領土問題なんて解決しないと思うのです。
どうして北方領土がロシアに占領されているのか、竹島が韓国に占領されているのか、台湾人が尖閣諸島に上陸しようとするのか、ちゃんとそれぞれに歴史があるのです。学校は、入試に出ないためなのか知りませんが、戦後の現代史はあまり教えたがりません。教養として、また、周辺国から非難を受けないためにも、学校で教えない歴史を学んでみてはいかがでしょうか。
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