2006.04.11 Tuesday
高速船衝突事故を斬る!
こんにちは。行政書士の高田です。
本文の記事よりも、最初の小話を考える時間の方が長いことに気付いた今日この頃です。
さて、鹿児島県の佐多岬沖で高速船が鯨に衝突、104名が重軽傷を負い、うち36名が入院するという事故が起こりました。空や陸での事故が相次いでいる中、今度は海か…という気もしますが、人為的なミスや気象条件による事故ではないだけに、どうやって再発を防げばいいのでしょうか。
今回事故を起こした高速船「トッピー4」は、半径133kmをカバーするレーダーと、船長以下4名が前方を監視し、鯨が嫌がるとされる音をスピーカーで流しながら、全速力に近い43kt(時速約80km)で航行していました。レーダーは当然ながら、海面上の障害物しか捕らえることができません。目視でも、海面近くまでしか見えませんし、見えてからではおそらく回避できません。鯨が嫌がるとされる音というのも、1km先まで音波が届く最新鋭の装置を使っている割に、実際の効果には疑問があるという代物です。つまり、海面下に何があるか解らないのに、時速80kmで突っ走っていたのです。
一方、事故が多発しているのは鯨の数が増えているせいだという意見もあるようです。私は個人的に商業捕鯨には賛成です。詳細は割愛しますが、条約で一律に禁止するような話ではないと思うのです。ですが、今回の事故と商業捕鯨の再開を、同じ次元で議論して欲しくはありません。危ないから捕まえろという論理は、極めて自己中心的で、危険な発想です。
ところで、海上保安庁によると、20kt(時速約37km)程度で航行している貨物船や漁船では、鯨に衝突したという報告はないそうです。客船も速度を落として航行すればいいという意見も出ているようですが、それは的を得ていません。もし、あなたがいつも利用している交通機関が、ある日突然スピードダウンしたらどうですか?通勤に1時間かかっていた人は2時間かかってしまいます。帰省に6時間かかっていた人は、12時間かかってしまいます。これは、受忍限度の範囲内なのでしょうか。
確かに、安全性が確立されないまま、利便性だけが追求されてきた結果と言えば、それまでです。だったら、利便性を犠牲にせず、安全性を向上させればいいのではないでしょうか。突然海中から浮上してくる鯨を避ける術はない、という専門家の話をテレビで見ました。そりゃそうかも知れませんが、素人考えとしては、水中レーダーで鯨を探知して減速・回避するようなシステムを搭載すればいいと思うのですが。野生動物である鯨に「どけ」と言うよりは、船が避けて通る方がより安全ですよね。
また、国土交通省がシートベルトの義務化について検討を始めたようです。ジェットコースター並のスピードで走っているのだから、私は義務じゃなくても締めたいです。また、船内設備や構造も、事故の際に乗客を守れるような設計が求められるでしょう。
結局、船にはまだまだ改善の余地があるのではないかと思います。既存の技術や発想から抜け出さなければいけませんし、そういった努力を怠っている企業は生き残れないでしょう。危ないからやめるといった後ろ向きな考え方や、絶対に無理という決めつけからは、何も生まれません。既成の概念にとらわれていると、目の前のものまで見えなくなりますよ。
※今回の記事に納得された方はクリックしてください→人気blogランキング
本文の記事よりも、最初の小話を考える時間の方が長いことに気付いた今日この頃です。
さて、鹿児島県の佐多岬沖で高速船が鯨に衝突、104名が重軽傷を負い、うち36名が入院するという事故が起こりました。空や陸での事故が相次いでいる中、今度は海か…という気もしますが、人為的なミスや気象条件による事故ではないだけに、どうやって再発を防げばいいのでしょうか。
今回事故を起こした高速船「トッピー4」は、半径133kmをカバーするレーダーと、船長以下4名が前方を監視し、鯨が嫌がるとされる音をスピーカーで流しながら、全速力に近い43kt(時速約80km)で航行していました。レーダーは当然ながら、海面上の障害物しか捕らえることができません。目視でも、海面近くまでしか見えませんし、見えてからではおそらく回避できません。鯨が嫌がるとされる音というのも、1km先まで音波が届く最新鋭の装置を使っている割に、実際の効果には疑問があるという代物です。つまり、海面下に何があるか解らないのに、時速80kmで突っ走っていたのです。
一方、事故が多発しているのは鯨の数が増えているせいだという意見もあるようです。私は個人的に商業捕鯨には賛成です。詳細は割愛しますが、条約で一律に禁止するような話ではないと思うのです。ですが、今回の事故と商業捕鯨の再開を、同じ次元で議論して欲しくはありません。危ないから捕まえろという論理は、極めて自己中心的で、危険な発想です。
ところで、海上保安庁によると、20kt(時速約37km)程度で航行している貨物船や漁船では、鯨に衝突したという報告はないそうです。客船も速度を落として航行すればいいという意見も出ているようですが、それは的を得ていません。もし、あなたがいつも利用している交通機関が、ある日突然スピードダウンしたらどうですか?通勤に1時間かかっていた人は2時間かかってしまいます。帰省に6時間かかっていた人は、12時間かかってしまいます。これは、受忍限度の範囲内なのでしょうか。
確かに、安全性が確立されないまま、利便性だけが追求されてきた結果と言えば、それまでです。だったら、利便性を犠牲にせず、安全性を向上させればいいのではないでしょうか。突然海中から浮上してくる鯨を避ける術はない、という専門家の話をテレビで見ました。そりゃそうかも知れませんが、素人考えとしては、水中レーダーで鯨を探知して減速・回避するようなシステムを搭載すればいいと思うのですが。野生動物である鯨に「どけ」と言うよりは、船が避けて通る方がより安全ですよね。
また、国土交通省がシートベルトの義務化について検討を始めたようです。ジェットコースター並のスピードで走っているのだから、私は義務じゃなくても締めたいです。また、船内設備や構造も、事故の際に乗客を守れるような設計が求められるでしょう。
結局、船にはまだまだ改善の余地があるのではないかと思います。既存の技術や発想から抜け出さなければいけませんし、そういった努力を怠っている企業は生き残れないでしょう。危ないからやめるといった後ろ向きな考え方や、絶対に無理という決めつけからは、何も生まれません。既成の概念にとらわれていると、目の前のものまで見えなくなりますよ。
※今回の記事に納得された方はクリックしてください→人気blogランキング